お知らせ
片頭痛治療における頭痛ダイアリーの重要性について
「頭痛ダイアリー」はなぜ大切?
近年、片頭痛治療は大きく進歩しています。
CGRP関連抗体薬に加え、ナルティーク、アクイプタなどの「ゲパント製剤」が登場し、片頭痛治療の選択肢はさらに広がってきました。
その中で、以前にも増して重要になってきているのが「頭痛ダイアリー(頭痛日記)」です。
頭痛ダイアリーというと、
「いつ頭痛があったかを書くだけ」
というイメージを持たれるかもしれません。
しかし実際には、
- どのタイミングで頭痛が起きるのか
- 月経や睡眠不足などとの関連
- 頭痛が何日続くのか
- 薬がどの程度効いているのか
を把握することで、治療を大きく最適化できる可能性があります。
例えば、月経関連片頭痛のように「数日続くタイプの頭痛」では、これまではトリプタン製剤や鎮痛薬を連日使用せざるを得ないことも少なくありませんでした。
その結果、薬剤使用回数が増え、「薬物乱用頭痛」につながるリスクが問題となることがあります。
一方、近年登場したゲパント製剤は、比較的長時間効果が持続する特徴があり、頭痛パターンを把握した上で適切なタイミングで使用することで、頭痛を長引かせずに抑えられる可能性があります。
結果として、
- トリプタン製剤
- NSAIDs(鎮痛薬)
などの使用回数を減らし、薬物乱用頭痛リスクの低減につながることも期待されています。
このように、現在の片頭痛治療では、
「どの薬を使うか」
だけでなく、
“どのタイミングで、どのような頭痛に使うのか”
が非常に重要になってきています。
そのため、頭痛ダイアリーは治療最適化のための非常に重要なツールになります。
特に、新しい治療薬を開始した時期や、頭痛外来を受診し始めた最初の時期には、できるだけしっかり記録をつけることをおすすめしています。
最初は少し大変に感じるかもしれませんが、
- どんな時に頭痛が起こりやすいか
- どの薬が効きやすいか
- どのタイミングで薬を使うと良いか
が見えてくると、ご自身でも徐々に“頭痛のパターン”がつかめるようになってきます。
そのため、必ずしも一生毎日細かく書き続けなければいけないわけではありません。
治療に慣れてくると、
「そろそろ来そうだな」
「今回は早めに薬を使った方がよさそう」
と感覚的につかめるようになる方も少なくありません。
現在は、
- ゲパント製剤
- CGRP関連抗体薬
- 従来の急性期治療薬
- 各種予防薬
など、多くの治療選択肢を組み合わせながら片頭痛治療を行う時代になっています。
一方で、治療選択肢が増えたことで、
「どの患者さんに、どの薬を、どのタイミングで使うか」
は以前より複雑になってきています。
そのため、頭痛ダイアリーを活用しながら患者さんごとの頭痛パターンを丁寧に分析し、治療を調整していく頭痛専門医の役割は、今後もさらに重要になってくると感じています。
片頭痛でお悩みの方は、一人で悩まず、ぜひ頭痛専門医にご相談ください。













