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危険な頭痛② 〜RCVS(可逆性脳血管攣縮症候群)って知っていますか?〜
こんにちは。今回は「危険な頭痛」シリーズ第2回として、RCVS(可逆性脳血管攣縮症候群) という病気についてお話しします。
◆ RCVSって何?
RCVS(Reversible Cerebral Vasoconstriction Syndrome)は、脳の血管が一時的に強く縮むこと(血管攣縮(けっかんれんしゅく))によって起こる病気です。大きな特徴は、突然「バットで殴られたような激しい頭痛(雷鳴頭痛)」 が繰り返し起こること。
ほとんどは一時的なもので、時間とともに改善することが多いですが、場合によっては脳出血や脳梗塞を引き起こすこともあり注意が必要 です。
◆ どんな症状?
雷鳴頭痛(突然始まる強烈な頭痛)
数日〜数週間の間に同じような激しい頭痛が何度も繰り返される
吐き気や嘔吐を伴うこともある
手足のしびれやけいれん、視覚障害を伴うことも
◆ どんな人に多い?
女性に多い(特に30〜50代)
出産直後
血管を収縮させる薬(トリプタン系頭痛薬、エフェドリンなど)の使用
カフェインやエナジードリンクの大量摂取
- 麻薬、覚醒剤などの薬物摂取
強いストレスや過度の運動
◆ 検査は?
RCVSはMRI・MRA検査や脳血管造影で脳血管の狭窄(血管の細さ)が確認されます。特に後大脳動脈という後頭葉という領域を栄養する血管が細くなることが特徴です。
初期では血管の異常が見つからない場合もあり、繰り返し検査が必要なこともあります。
◆ 治療は?
血管を拡げる薬(カルシウム拮抗薬など)
頭痛を引き起こす誘因(薬、過剰なカフェインなど)の中止
安静とストレスコントロール
適切な治療と経過観察で、通常3ヶ月以内に自然に回復することが多い です。
◆ 院長からひとこと
「突然バットで殴られたような激しい頭痛が続く」—— そんなときは我慢せず、すぐに医療機関を受診してください。
当院ではMRIを用いた精密検査が可能です。
必要なら専門医療機関への紹介も含め、しっかりとサポートしますので、不安なときは遠慮なくご相談ください。