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京都で頭痛でお悩みの方へ|新規発症持続性頭痛(NDPH)について
突然始まり、毎日続く頭痛について
頭痛にはさまざまなタイプがありますが、ある日を境に急に始まり、そこから毎日続くという、非常に特徴的な頭痛があります。
それが 新規発症持続性頭痛(NDPH:New Daily Persistent Headache) です。
NDPH は 2004 年の 国際頭痛分類 ICHD-2 ですでに診断名として定義されていましたが、2018 年に公表された ICHD-3 では診断基準が整理され、NDPH の特徴がより明確に記載されるようになりました。
ICHD-3 における NDPH の診断基準
ICHD-3では、NDPHは次のように定義されています。
頭痛が新たに発症し、発症から 24 時間以内に“毎日続く頭痛”として固定化すること
多くの場合、患者さん自身が 「頭痛が始まった正確な日」 を特定できる
片頭痛や緊張型頭痛の既往があっても良いが、
既存の頭痛が徐々に悪化して連日化したものではないこと脳腫瘍や髄液圧の異常など、二次性頭痛が除外されていること
特に 「発症から 24 時間以内に連日性となる」 という点が、NDPH を他の慢性頭痛と区別する重要なポイントです。
ICHD-2 から ICHD-3 への変更点
ICHD-2 にも NDPH の診断名はありましたが、当時は
頭痛が緊張型頭痛に似ている
痛みの性質が両側性・圧迫感
といった記述が補足的に添えられており、
NDPH と他の慢性頭痛の境界がやや曖昧な部分がありました。
ICHD-3 では、
痛みの性質(緊張型・片頭痛型)の制限がなくなり
“突然発症し、24 時間以内に毎日続く”という 発症様式そのものが診断の中心 になった
という点が大きな変化です。
そのため、NDPH は “痛みの質” ではなく “発症の仕方” で診断する頭痛 として、より明確に位置づけられています。
NDPH はどんな人に多い?
NDPH はどの年代にも起こり得ますが、臨床的には 思春期~若年の女性でみられることが多い印象があります。
ウイルス感染のあと
初潮・月経などのホルモン変動
学校生活や部活動のストレス
睡眠リズムの乱れ
もともとの片頭痛体質
といった要因が重なり、急性発症のきっかけになることがあります。
なぜ毎日続くのか
NDPH は、脳の痛みを処理するネットワークが過敏になってしまった結果として、
痛みのスイッチが“入りっぱなし”の状態になると考えられています。
片頭痛の性質
緊張型頭痛の性質
自律神経の乱れ
感染後の反応
心理的ストレス
などが複雑に関わり、頭痛が持続する原因になります。
検査について
NDPH を疑う場合、まず 脳 MRI を行って、以下のような疾患を除外します。
脳腫瘍
くも膜下出血
脳炎・髄膜炎
低髄液圧症など髄液圧の異常
これらの疾患が否定されて初めて、NDPH の診断が可能になります。
治療について
NDPH は発症後すぐに治ることは少ないものの、
適切な治療を続けることで徐々に改善することが多い頭痛です。
治療には、
抗てんかん薬(バルプロ酸、トピラマートなど)
抗うつ薬(アミトリプチリンなど)
SNRI(サインバルタ)
大後頭神経ブロック
CGRP関連薬(片頭痛の性質が強い場合)
といった方法を組み合わせます。
さらに、
睡眠リズム
朝食・水分補給
姿勢
ストレスコントロール
などの生活調整も改善に大きく影響します。
まとめ
NDPH は突然始まるため不安の大きい頭痛ですが、
MRIで異常がないことを確認しながら治療を進めることで、
時間の経過とともに良くなっていくケースが多い頭痛です。
「ある日から急に頭痛が続いている」「毎日の頭痛で生活に支障がある」
という場合は、お早めにご相談ください。













