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突然の意識消失…それ、本当にこわいのは“倒れ方”かも?

皆様こんにちは。今回は、外来でご相談の多い「意識を失った」という症状についてお話ししてみたいと思います。

意識を失う原因というと、脳卒中やてんかん発作を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実際にはそれらが原因であることはそれほど多くなく、もっともよく見られるのは**「迷走神経反射」**と呼ばれる、自律神経の一時的な乱れによる発作です。

この迷走神経反射は、健康な方にも起こりうる生理的な反応です。たとえば、

  • 強いストレスを感じたとき

  • 風邪などで体調を崩しているとき

  • アルコールの飲みすぎた後

  • 季節の変わり目や急な温度変化

などに、比較的よく見られます。特に、若くて背の高い男性に起こりやすい傾向があるといわれています。

では、なぜ意識を失ってしまうのでしょうか?

ストレスなどで交感神経(体を活動的にする神経)が強く働いている状態から、突然副交感神経(体をリラックスさせる神経)が優位になることで、血管が一気に広がり、血圧が下がってしまいます。その結果、一時的に脳への血流が低下し、意識を失ってしまうのです。

この迷走神経反射自体は、多くの場合命にかかわるようなものではありません。ですが、気をつけなければならないのは、倒れたときに頭をぶつけてしまうことです。

意識がある状態で転倒すると、人の体は自然と筋肉をこわばらせて頭を守ろうとします。しかし、意識を失っているとこの反射が働かず、首の筋肉がゆるんだまま頭を強く打ってしまう可能性があります。

実際には、大した高さではない場所からの転倒であっても、頭を打ってしまったことで脳出血を起こすケースもあります。私自身、救急病院で勤務していた際に、そのような事例を複数経験しました。運が悪ければ、命に関わるような状態になってしまうこともあり得ます。

ですので、**「なんだか頭から血の気が引いた感じがする」「気分が悪くなってきた」**という感覚があれば、すぐにしゃがむ、あるいは可能であれば横になってしまうことがとても大切です。

横になることで、頭をぶつけるリスクを減らせるだけでなく、脳と心臓の高さが近づくことで、脳への血流も保たれやすくなります。結果として、意識を失わずにすむ、あるいは意識が戻りやすくなることもあります。

もし、今後ご自身や身近な方が同じような症状を感じたときには、ぜひこのことを思い出して、早めに安全な体勢をとることを意識してみてください。

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