お知らせ
新しい片頭痛薬「ナルティーク」について
新しい片頭痛薬「ナルティーク(リメゲパント)」が2025年12月に発売されます。
—— 急性期・予防の両方に使える日本初の飲み薬 ——
2025年9月に製造販売が承認され、2025年12月に発売予定となった
ナルティーク(一般名:リメゲパント) は、
日本で 初めて「急性期治療」と「発作予防」の両方に使用できる飲み薬(ゲパント系) です。
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という片頭痛の原因物質をブロックする新しい作用機序の薬で、
口の中で溶けるOD錠のため、服用しやすい点も特徴です。
京都市内を含め広範囲から来院される片頭痛患者さんにとって、
従来の治療で効果不十分だったケースにも新たな選択肢となります。
■ 1. 急性期治療試験(BHV3000-313 / C4951022)
日本人片頭痛患者を対象とした二重盲検プラセボ比較研究
● 評価内容
片頭痛発作時に治験薬を1回服用し、2時間後に痛みが消失した割合(Pain freedom) を評価。
● 結果(痛み消失率)
リメゲパント 75 mg:32.4%
リメゲパント 25 mg:21.0%
プラセボ:13.0%
➡ 75 mgで明確にプラセボを上回り、急性期治療として有効性が証明された。
● 安全性
有害事象発現率
75 mg:9.2%
25 mg:7.1%
プラセボ:6.6%
重篤な副作用なし
肝機能異常や自殺関連事象なし
➡ 急性期治療薬としての安全性も良好。
■ 2. 予防治療試験(BHV3000-309 / C4951021)
日本人片頭痛患者を12週間評価した国内第Ⅲ相試験**
● 主要評価項目:片頭痛日数(MMD)の減少
Week 9〜12(最後の4週間)の平均変化量
リメゲパント:−2.4日
プラセボ:−1.4日
群間差:−1.1日(p=0.0021)
➡ 予防効果が有意に確認された。
● 副次評価項目
1〜4週目から効果が現れる(−2.0日)
12週間通して発作頻度を安定して減少
トリプタンなど急性期薬の使用日数も減少
50%レスポンダー率:35.1%(プラセボ28.5%)
■ 3. 安全性(2試験共通)
多くの副作用は軽度
主な症状:
嘔気(8.5%)
便秘(7.8%)
倦怠感(2.8%)
重篤な肝障害の報告なし
薬物乱用頭痛なし
➡ 急性期・予防どちらでも安全性が高い薬剤と評価されている。
■ 4. 半減期が11時間 → 妊娠を考える方にも使いやすい
リメゲパントの半減期は約11時間で、
注射型CGRP抗体(半減期28〜45日)に比べて体内残存期間が圧倒的に短いことが大きな特徴です。
そのため、
妊娠を希望している方
妊活の再開時期が未定の方
避妊・薬剤中止のタイミングを柔軟に調整したい方
にとって、比較的使いやすい片頭痛治療薬 と考えられています。
(※ 妊娠中は安全性データが不十分なため、医師との相談が必須です。)
■ 5. ナルティークが向いている方
発作頻度が多い
痛みで仕事や家事に支障がある
トリプタンの使用頻度が高い
従来の予防薬が効果不十分または副作用で続かない
妊娠を視野に入れつつ治療したい
■ 院長コメント
「ナルティークは、発作時にも予防にも使える新しい飲み薬です。
従来の治療が合わなかった方や、妊娠を希望している方にとっても、新たな選択肢となる薬剤です。
発売後は患者さんに合わせて最適な治療をご提案いたします。」
みなみ脳神経クリニック 院長 南 徳明













